仮声帯発声の方法と効果 がなり ノイズ デスボイス 声の安定 抵抗の点による中声の開発 呼気圧迫の解消 等

仮声帯発声とは、声帯の上にある仮声帯というひだを内転させて出すノイズのかかった声のことです。
その声を出すことによって、仮声帯で息を受け止める抵抗の点が鍛えられ、声門下圧をコントロールできるようになるので、声を張ったり安定させたりするのにかなり重要です。

一見、喉に悪そうだったり変な声だったりして、現代のほとんどの発声訓練では取り入れられていませんが、仮声帯発声は、自由な声の獲得のために必要不可欠です。

仮声帯発声とチャールズ・ランの抵抗の点理論とは

声というのは高い声・強い声を出そうとするほど声門に呼気の圧がかかるようになっています。
声門に呼気圧がかかりつづけると伸展が保ちづらく、内筋が入り、声が崩れやすく、重くなりやすくなります。

そこで、声門の上にある仮声帯というヒダを内転させることで、仮声帯で圧を受けられるようにします。
そうすると声門への圧が緩和され、内筋が入りすぎることなく安定して強い声や張りを出せるということです。

高音を出したり声を張る時に、仮声帯が内転していない状態で、呼気の勢いに頼って高音を出そうすると、意図しない場合にも内筋が入ってしまいます。
そうなると声帯は収縮し、重くなり、音程がフラットしたり、伸展できなくなっていき、地声固着や呼気圧迫の状態に陥ったりします。

仮声帯を内転させれば、声門への圧が軽減し、内筋が入りづらくなります。
仮声帯発声は『収縮(つまり内筋)を緩和する』するのであって『伸展を促進する』わけではないので注意が必要かと思います。

仮声帯を鍛えるには、地声や裏声や、いろんな喉頭位置や、いろんな音程で仮声帯発声をしていくことです。

最も基本的なのは咳払いで、多くの人がコツを掴みやすいと思います。
咳払いは基本的にはハミング(口を閉じた発声)で行うので、音量も小さく済み、すばやくできます。

咳払いを、地声、裏声、いろんな喉頭位置、いろんな音程で行ってみてください。
長く発声したり、ビブラートを掛けたりも有効です。
(痛かったり痒かったりする場合は注意しながら行ってください。)

そういった訓練を続けているうちに、クリーントーンを出している時にも、ノイズの音が聴覚上聴こえない程度に仮声帯が内転し、息の圧を安定して受け止め続けます。

それらをチャールズ・ランの仮声帯の抵抗の点の理論といいます。
実証はされていないらしいですが、体感上間違いなくあります。

出したいと思う声が弱い(安定しない)場合はその声で仮声帯発声の強弱グラデーションをしてみる

俺の歌声は大体、低音は地声ベースで、高音はすっぽ抜けた中声。
喋り声は地声が強いが、すっぽ抜けた中声は準備なしですぐにカラオケでフルボイスで出せる。

だが俺が出したいのは、裏声ベースの中声。

その声を出すにはとにかく前準備が必要なので、カラオケで人前では使えない。
今までその声を出す前準備として仮声帯発声を挙げてきた。

とにかく、裏声ベースの中声にも、仮声帯発声が重要。
だいたい、アンザッツ5+仮声帯ノイズを出せばその準備が整う。

だがそれよりもっと早く準備が整う方法があった。
単純に、裏声ベースの中声(準備をしていないのでかなり不安定な状態)で、仮声帯ノイズを出してみれば、声が安定した。

ノイズがぎりぎり聞こえない程度に仮声帯を内転させると、抵抗の点理論で声が安定したり張れたりすると書いたが、仮声帯ノイズとクリーンで強弱グラデーションをやってみるとその感覚がつかみやすく、同時に、機能も復活しやすいように思う。

アンザッツ5+仮声帯ノイズとかもかなりきくが、俺の場合一番手っ取り早く裏声ベースの中声の準備を整わせるのは、裏声ベースの中声の強弱グラデーションだった。

仮声帯発声(抵抗の点)が超重要

今回は俺が出したいと思う声である裏声での中声を例に上げたが、多分どの声でも仮声帯ノイズの強弱グラデーションは効くと思う。
とにかく仮声帯が本当に重要。

俺が長時間(14時間くらい)喋り続けてもほとんど声が枯れないのは、ある程度歌ってきたおかげで仮声帯にそこそこ神経インパルスが行き届いているからだと思う。
仮声帯が内転することで息の圧を受け止めてくれて、内筋が入りすぎなかったり、喉に良い効果が色々とある。

まとめ

仮声帯発声は、ガラガラしていて喉に悪そうだが、実際は逆で、喉に良いのだから面白い。
(もちろん内筋を巻き込みがち、入れすぎになる仮声帯発声は、どちらかというと喉に悪いと思うが。)

ノイズが鳴る直前の仮声帯発声で抵抗の点が働いて声を安定させられたり張れたりする

ノイズが鳴らない程度の仮声帯の内転を意識したら、声が安定し、漂う感じの張れない中声である程度張れるようになった。
仮声帯が無い天使、息が抜ける量を強制的に絞るから、声門への息の圧迫が緩和されて内筋入りすぎを防いでるってことなんだろうか。

内筋

伸展を維持できないのは大体内筋(収縮)入りすぎによってだと思う。
伸展を維持するのに仮声帯(抵抗の点)が役に立つってことか。

前に、ゲロを吐くときのような仮声帯ノイズや、ゲロを吐く時のようなエッジボイスをやれば喉頭位置の高い仮声帯が鍛えられて、漂うような中声を出す準備整うとか書いたけど、内筋が入りすぎると逆効果になる。

発声訓練初期段階では、どちらかというと地声は糞(=内筋(収縮)は糞、男は糞)というくらいに思ったほうが良いと思う。

とにかく内筋(収縮)は固着しやすい、入りすぎる。
男性の場合、モラルセンス的に特にそうだと思う。

俺は伸展が弱いのでアンザッツ5+仮声帯ノイズが苦手で、すぐに内筋と混合する。
(十分に伸展してないと閉鎖できないので。)

まとめ

最近は声を張るときも、仮声帯の内転ばかり意識している。

漂う中声は、張れる中声(=収縮の強いの中声)と比べて苦しくなったりひっくり返るリスクが少ない代わり、グラデーション的に弱くなる、高音になるにつれて裏声っぽくなりがちに思う。

なんとかするために、高音でもちゃんと閉鎖+若干の収縮をする練習をしたり、中声と中声+仮声帯ノイズの強弱の練習をして鍛えていこうと思う。

内筋のすっぽ抜けをがなり(仮声帯発声)で誤魔化す

ラズベリー / スピッツ

現時点でAをすっぽ抜けずに出すには、仮声帯ノイズをかけるしかないことがわかった。
厳密にはすっぽ抜けていると思うが、仮声帯ノイズで低域倍音が追加されるのか、若干ましになる。

以下の00:15はAだが、仮声帯ノイズを顕在化させていないのでだいぶすっぽ抜けている。

以下はA#(1:22)だが、仮声帯ノイズを顕在化させてないのですっぽ抜け。

これも、仮声帯ノイズをかければ以下のようにごまかせる。
厚みが出せるというか、太く聞こえる。

以下は半音低いが、今より内筋が弱いからか、なおすっぽ抜けている。

以下はBと高さ不明。

まとめ

このくらいの高さの仮声帯発声で、喋れるくらい努力性下げることできるんだろうか。
現時点では踏ん張ってロングトーンじゃないと出せない。

ベルティング(内筋)は歳を取ると明らかに劣化すると思うが、仮声帯は劣化しない(?)ような気がするので、仮声帯発声は年取っても安心して使えそう。

17歳のときもまさにAくらいから仮声帯ノイズやエッジボイスを混合させまくってすっぽ抜けを誤魔化して叫んでいたので、興味ある人は以下の記事を参照してください。
音源たくさんあります。

まとめ

クリーントーンでの練習と同時に、仮声帯発声もやらないと、成長速度がかなり遅くなります。

仮声帯発声には、上に書いた効果以外にも、各筋肉に神経支配が行き渡る速度を早める効果もあると個人的には考えています。

仮声帯発声はまだ解明されていない点も多いですが、上述の抵抗の点などを踏まえると重要なのは間違いありません。

俺も常日頃から、地声・裏声、高音・低音、いろんな喉頭位置、いろんな口の形で仮声帯発声をしてトレーニングしています。

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