吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝 著者:南條竹則 書評、レビュー(感想)

17歳くらいの時、ネットで『ルイス・ウェインの猫』という絵を見つけた。
不気味だったが、そのインパクトに強烈に惹かれたのを覚えている。

キチ絵を描き始めたのも17歳の頃で、彼の絵(統合失調症発症後)を模倣した絵もいくつか描いた。

最近は彼の絵のような緻密なキチ絵は一切描いていないが、彼のように一つのモチーフ(猫)に執着し、生涯書き続けるスタイルのルーツが気になったので、この本を読んだ。

この『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』という本では、彼の大体の経歴などがわかった。
イラストが多く載っていて楽しい本だった。

統合失調症発症後の彼の絵についての分析は少なかったので、そういうのは彼の絵が取り上げられた心理学の本などを読んだほうがいいんだろう。

個人的な評価は★★★★☆

一つのモチーフに執着する

ルイス・ウェインはとにかく猫というモチーフに執着している。

統合失調症になってわけがわからなくなってもひたすら猫を描き続けるという執念は、俺から見ると本当に美しいと思える。

俺はとにかく、一つのモチーフばかりを描き続ける絵描き(画家)というのが好き。
pixivなどの絵描きを見ていても、やはりそういう人を好きになる。

例えば俺自身も、一時期は『アルティー』ばかり描いていたし、その枚数と執着度合いは我ながらすごかった。
今後は『ちほちゃん』『りささん』『あきらくん』の3人ばかり徹底的に描いていこうと思っている。

1人ではなく3人だが、流行りの絵を手当たり次第に描く絵描きに比べたら、少ないものに執着しているはず。
抽象化すると、自分で作った、女性的な、一癖も二癖もある人格のキャラに執着している。

ルイス・ウェインが猫に執着したくらい、俺も自分のオリキャラというものに執着したいと思っている。

ルイス・ウェインは多作

ルイス・ウェインの絵で特に好きなのはやはり『万華鏡猫(統合失調症発症後の幾何学的な猫)』だが、それ以前の普通の猫の絵も好きだ。
平和的な物語が多く、人間的な猫の仕草も可愛い。
猫の絵のプロフェッショナルだけあって安定感もすごい。

まともな時期は猫の絵で一世を風靡したことは知らなかったので、純粋にそれもすごいと思った。

俺はとにかくルイス・ウェインの執着の強さが好きだと描いたが、多作なところも好き。
本にも描いてあったが、彼はとにかく大量に作品を残したタイプらしい。
俺も、一つの絵に何週間もかける寡作タイプではなく、一つの絵には執着せずに何枚も描いていく多作タイプなので参考にしたい。

ルイス・ウェインが至高

俺は基本的にアニメ絵や漫画絵しか興味がなく、画家の絵はあまり見ない。
なので好きな画家というのもあまりおらず、しいてあげるとしたらベクシンスキー、ダリくらいか。

やはりルイス・ウェインが至高。
特に統合失調症発症後の彼の絵は見ていて気持ちがいい。

病気のふりをして奇をてらっている絵は多いが、彼は本当に病気だったし、そもそもの画力が高いから説得力が違う。
そこに猫への執着も加わって、あの存在感があるんだろう。

ルイス・ウェインが統合失調症を発症したのはバス事故で頭を打ったのが関係していると書いてあったが、その前に妹が頭をおかしくしている時点で、やはり遺伝か生活環境かなんかじゃないだろうか。

統合失調症の重要性

人間は自我が芽生える前の幼少時には誰しもがものすごい恐怖体験をしているらしく、あまりの恐怖のために一生抑圧されて掘り返されることはないらしい。
統合失調症はその抑圧が解けてしまって狂った状態だという。

統合失調症というのは興味深い病気だと思う。
絵においては、ルイス・ウェインのような特殊な絵を生み出すのに繋がるし、声においても、右脳言語野と関係していて、特殊な声に繋がる。

正直、キチ絵を描き始め、奇声を上げていた17歳の頃の俺は、かなり統合失調症に近かったのではないかと思う。
タルパもいたし、つまり脳内人物と会話をしていて、右脳言語野が活性化していた。

今はルイス・ウェインの万華鏡猫のような、昔のキチ絵のような、緻密に書き込まれた幾何学的な絵を描こうとは思わない。
簡略化された、萌系のイラストを描くことが楽しいと思える。

これはこれでいいのだが、声においては17歳の時より不自由というか、ぶっ飛び感がない。

今の冷静さ(?)と17歳の時の統合失調症感がどちらも合わされば理想的なのだが。
思春期特有の勢いもあったと思うが、あの感覚をもう一度取り戻したい。

俺がルイス・ウェインの影響を受けて描いた絵

俺たちのLove Cat

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「俺たちのLove Cat」/「髭林おなもみ」のイラスト [pixiv]

遅ればせながら、あけまして、おめでとうございます。のことだよ。

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「遅ればせながら、あけまして、おめでとうございます。のことだよ。」/「髭林おなもみ」のイラスト [pixiv]

まとめ

なんか俺の話ばかりになりましたが、この本はとりあえず読み物として面白い本でした。
人物名など興味のないところは読み飛ばしたけど。

ここまで有名な画家(イラストレーター?)だったのに日本であまり有名じゃないのは不思議だ。

ルイス・ウェインの統合失調症時の絵をもっとたくさん見たいんだが、あまり残ってないんだろうか。
ルイス・ウェインの年鑑が、日本では購入できないのも気になる。
古すぎてイギリスでも手に入らないか。

とりあえず今後もルイス・ウェイン並の執着を目指して、ちほちゃんなどのオリキャラを描いていきたいと思います。


吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝 (集英社新書)

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好きな小説(好きな話) 酔歩する男(玩具修理者 収録) 失われた過去と未来の犯罪 忌憶 哲学的ゾンビもしくはある少年の物語(...

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