地声/裏声/各アンザッツの概要と発動する内喉頭筋群/外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)の筋肉名 働きや役割について

地声と裏声の定義や、各アンザッツの定義と、発動する喉の筋肉名を表記しました。

筋肉名は内喉頭筋群外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)に分けて、その名称と働きについて記しました。

内喉頭筋群は、前筋内筋閉鎖筋(間筋、側筋)などと略すと言いやすいです。
それらの働きは大きく分けて、開大伸展閉鎖収縮の4つです。

実際に声を出して、どの筋肉が発動するとどのような声が出るか結びつくようにしてください。

地声

地声とは
・定義は内筋
・重い
・分厚い
・低音発声に重要
・男性的

・閉鎖筋(間筋、側筋)の発動によって声門が閉鎖されるが、それだけでは完全には地声に聴こえないため、内筋によって声帯を収縮し分厚く重くし、それによって結果的に閉鎖もサポートされ(閉鎖筋では閉鎖しきれない声門の真中部分を閉鎖)、完全に地声に聴こえる。

アンザッツ1

強く発動する外喉頭筋群
・甲状舌骨筋

強く発動する内喉頭筋群
・閉鎖筋(側筋、間筋)
・内筋

アンザッツ1の代表的な声:志村けん
アンザッツ1+仮声帯ノイズの代表的な声:ハマジ(ちびまる子ちゃん)、HIKAKIN(ブンブンハローYouTube)

・喉頭位置は上げきる。
・地声系アンザッツの中では最も内筋の発動が弱く、閉鎖筋(間筋、側筋)の発動が強い。
・アンザッツ3bを除いて、最も裏声に近い地声。

アンザッツ2

強く発動する外喉頭筋群
・胸骨甲状筋
・喉頭位置は低め

強く発動する内喉頭筋群
・閉鎖筋(側筋、間筋)
・内筋

アンザッツ2の代表的な声:歌のお兄さん、一般的な成人男性
アンザッツ2+仮声帯ノイズの代表的な声:

・3aよりも内筋が弱く発動していて、1よりも内筋が強く発動している。

アンザッツ3a

強く発動する外喉頭筋群
・胸骨甲状筋

強く発動する内喉頭筋群
・内筋

アンザッツ3aの代表的な声:オッサン、中尾彬
アンザッツ3a+仮声帯ノイズの代表的な声:ヤクザ、江田島平八

・内筋をフルに発動させた低く重厚な声。
・喉頭位置は下げきる。
・多くの女性は3aを発動させるのが苦手な場合が多い。
・アンザッツ3がaとbにわかれている理由は、内筋がフルに働くか繊細に働くかの違い。

アンザッツ3b

強く発動する外喉頭筋群
・全てだが、強いて言うなら甲状舌骨筋
・喉頭位置は基本的には高め

強く発動する内喉頭筋群
・閉鎖筋(側筋、間筋)
・内筋

アンザッツ3bの代表的な声:美輪明宏、美空ひばり
アンザッツ3b+仮声帯ノイズの代表的な声:

・音色としての3bと機能としての3bがある。
・音色としての3bは地声と裏声の中間のような声のことだが、どちらかというと地声に聴こえる。
・機能としての3bとは、地声、裏声、3bを包摂し、極端な端から中間までのあらゆるグラデーションを行き来できる自在性のこと。
・初期の3bは、アンザッツ1と5の間に発生する。

エッジボイス

・外筋がフルに発動
・前筋はほぼ完全に弛緩している。
・内筋もほぼ完全に弛緩している。
・いろんな喉頭位置で鳴らせるが、喉頭位置が高いほうが鳴らしやすく、最大限の発動ができる。
・息の量または呼気圧が低い方が鳴らしやすい。

エッジボイスの代表的な声:呪怨の佐伯俊雄

詳しくは以下の記事を参照。

甲状披裂筋の役割 外筋と内筋は反比例する ベルティングや張り上げの魅力と危険性 男声の出し方
甲状披裂筋は、地声系の筋肉。 地声を出す、または地声で声を張るには甲状披裂筋を発動させる必要がある。 甲状披裂筋は、内甲状披裂筋(以...

裏声

裏声とは
・定義は内筋が入っていないこと
・軽い
・薄い
・高音発声に重要
・女性的

アンザッツ4

強く発動する外喉頭筋群
・胸骨甲状筋
・口蓋喉頭筋、茎突咽頭筋
・喉頭位置は中間~低め

強く発動する内喉頭筋群
・前筋
・後筋

アンザッツ4の代表的な声:ミッキーマウス
アンザッツ4+仮声帯ノイズの代表的な声:

アンザッツ5

強く発動する外喉頭筋群
・甲状舌骨筋

強く発動する内喉頭筋群
・前筋
・閉鎖筋(側筋、間筋)

アンザッツ5の代表的な声:目玉の親父
アンザッツ5+仮声帯ノイズの代表的な声:赤ちゃんの泣き声、ニャース(※少し内筋が入っている)

・喉頭位置は上げきる。
・鋭さを出そうとして内筋が入る場合は、しっかり伸展できていない可能性がある。
・アンザッツ5+仮声帯ノイズがうまく出せない場合は、舌を出して叫ぶとうまくいく場合がある。

アンザッツ6

強く発動する外喉頭筋群
・輪状咽頭筋
・胸骨甲状筋

強く発動する内喉頭筋群
・前筋
・後筋

アンザッツ6の代表的な声:ソプラノ歌手
アンザッツ6+仮声帯発声の代表的な声:以下の動画の2:383:18

・喉頭位置は下げきる。
・裏声アンザッツの中で、伸展と開大が最も強く働く。

ホイッスルボイス

・前筋による伸展+外筋(+閉鎖筋)による閉鎖+後筋による開大で出す極高音声。
・内筋はほぼ完全に弛緩している。

・気流型発声と構音型発声の二種類がある。
・前者は口笛と同じ原理で「声帯そのものは振動していない」「声帯の間を通る息の気流音によって作られる」と言う特徴がある。
・後者は通常の発声と同じ原理で「声帯を極限までストレッチする。」事によって発音する。
・喉頭位置はどちらかというと高め。

ホイッスルボイスの代表的な声:やかんで湯が湧いた音、女性の甲高い悲鳴

・ホイッスルボイスは気流型と構音型で喉の筋肉の発動度合いがだいぶ違う。詳しくは以下の記事のホイッスルボイスの項目参照。

中声(または女声)の出し方 地声と裏声を分離し引き下げ(伸展/開大/収縮)と引き上げ(閉鎖筋/仮声帯/外筋)を鍛える 喚声点から逃げず『拮抗』させる
地声のまま、ひっくり返らずに、楽に、または心地よいテンション感で、力強く、高音を発声するにはどうすればいいのか。 男性が女性的な声で歌った...

仮声帯発声

・仮声帯を内転させて発声することで、ノイズが乗った音を出せる。
・ノイズが鳴らない程度に内転させることも出来る。
・仮声帯ノイズのみを鳴らすこともできる。

詳しくは以下の記事参照。

仮声帯発声と吸気発声の方法と効果 閉鎖筋が鍛えられ呼気圧迫を軽減できる 声の成長速度を早める 等
仮声帯発声とは、声帯の上にある仮声帯というひだを内転させて出すノイズのかかった声のこと。 その声を出すことによって、主に閉鎖筋が鍛えられる...

筋肉

内喉頭筋群

喉頭の中にある筋肉です。

裏声系の筋肉

輪状甲状筋(前筋)
・声帯を伸展させる(薄く引き伸ばす)→反対は収縮(内筋)
・音程調節の要になる。
・高音を出すのに必須であり、どれだけ高い声が地声で出ているように聴こえても、この筋肉がかなり働いている。
・アンザッツ4、アンザッツ5、アンザッツ6

後輪状披裂筋(後筋)
・声帯を開大させる。
・前筋をサポートする(前筋と必ず同時に働くなど、諸説あり)。
・声を出すときに最初に発動する筋肉であり、何かしら声が出ている限り必ず発動している(開大していないとそもそも息ができない。)
・アンザッツ4、アンザッツ5、アンザッツ6

地声系の筋肉

閉鎖筋
・閉鎖筋による閉鎖によって声に芯ができる。
・アンザッツ1、アンザッツ5、アンザッツ2

外側輪状披裂筋(側筋)
・声帯を閉鎖させる。

披裂間筋(間筋)
・側筋による閉鎖だけでは後方に三角形の隙間ができるので、その隙間を閉鎖させる。

甲状披裂筋
内甲状披裂筋(内筋=声帯筋)
・声帯を収縮させる。
・声帯の緊張を強める。
・それらによって声帯が分厚くなる、声が重くなる。
・収縮・緊張の副効果として、閉鎖筋(側筋、間筋)で閉鎖できない声門の真ん中部分を閉鎖させる。
・アンザッツ3a、アンザッツ2、アンザッツ1

外甲状披裂筋(外筋)
・閉鎖筋をサポートする。
・内筋と反比例する。
・エッジボイス、ホイッスルボイス

外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)

喉頭を吊っている筋肉です。
喉頭を各方向に引っ張る筋肉があります。


輪状咽頭筋
・喉頭を下後方に引き下げる。
※その方向に引く筋肉は他にも胸骨舌骨筋や肩甲舌骨筋がありますが、輪状咽頭筋だけ覚えていれば良いと思われます。

・後筋、前筋が最も強く発動、最大限の伸展。
・アンザッツ6、ホイッスルボイス

茎突咽頭筋、口蓋喉頭筋
・喉頭を上後方に引き上げる。※簡略化しましたが問題ないと思います。
・後筋、前筋が発動。
・アンザッツ4、アンザッツ2

胸骨甲状筋
・喉頭を引き下げる。
・内筋が最も強く発動。
・アンザッツ3a、アンザッツ2、アンザッツ4

甲状舌骨筋
・喉頭を上前方に引き上げる。
・閉鎖筋(側筋、間筋)が最も強く発動。
・アンザッツ5、アンザッツ1、(あえて言うなら)アンザッツ3b

筋肉の名前や役割を覚える必要性

発声訓練時に喉(声帯)の筋肉の名前や働きを覚えたり意識する必要性やメリットデメリットについて。

筋肉の名前や働きを理解するのは多少難しいですが、それらを理解することで、自分が出したい声から見て、どの筋肉の発動が弱いかわかります。
それがわかれば、あとは『自分に足りない筋肉が強く発動している声』を探して、よく聴いて、忠実に真似することで、足りない部分が徐々に補われていきます。

ある声を真似したい場合、要素で分解し個別に鍛えてから、融合した声を出すとうまくいく、ということが多いです。
その場合に、筋肉の名前や役割がわかっていれば、各筋肉に特化した声を出すことができます。

ただし前提は、理想の声を何度も聴いて、頭で再生できるようにし、ひたすら声を出して真似しまくっていくということです。
それで行き詰まったときには、筋肉の名前と役割を覚えることが役に立つ場合があるということです。

喉の筋肉名と働きを覚える目的は、
『出したい声』から見て『何が足りないか』をわかるため
声について人と言葉でコミュニケーションするため
です。

練習のときは一人なので、人に伝える必要性はありませんし、難しいことを考えず感覚でやっていくほうが向いている、という人は、無理に筋肉を覚える必要性はないかと思います。

おまけ 地声と裏声に持つ個人的なイメージや人格

これまで、
地声は仮観、アートマン、自己主張…
裏声は空観、ブラフマン、自己犠牲…
中声は、中観…
等、色々混ぜ合わせて考えて遊んできました。
ここにまとめておきます。

地声

  • 仮観
  • アートマン(我)
  • 男性(父性)
  • 自己主張
  • 怒り
  • 破壊
  • 過去
  • 重い(遅い、安定)
  • 具体的
  • 論理的
  • 現実
  • 身体
  • ローテンション
  • 理性

裏声

  • 空観
  • ブラフマン(梵)
  • 女性(母性)
  • 自己犠牲
  • 優しさ
  • 創造
  • 未来
  • 軽い(素早い、不安定)
  • 抽象的
  • 感情的
  • 精神
  • ハイテンション
  • 本能

中声

  • 縁起
  • 中観
  • 梵我
  • 中性、ふたなり
  • 現在
  • 自在性
  • 中途半端
  • 混乱

引き上げ

  • 論理
  • ローテンション

引き下げ

  • 感情
  • ハイテンション

おまけ
アンザッツ1は童貞
アンザッツ2は素人童貞
アンザッツ3aは非童貞
アンザッツ3bはLGBT
アンザッツ4は処女
アンザッツ5は非処女
アンザッツ6はママ

クリーンは秩序
ノイズは混沌

まとめ

以上です。


はじめに以下の記事を読んでいただくことをおすすめします。

地声/裏声/各アンザッツの概要と発動する内喉頭筋群/外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)の筋肉名 働きや役割について
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このブログの記事は、一学習者・一素人の気付きとして書かれたものです。
特に発声訓練に関する記事の内容は、安易に実践すると危険な場合がありますので、自己責任でお願いします。

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