限りなく透明に近いブルー 著者:村上龍 書評、レビュー(感想)

これまで読んできた村上龍氏の著作はエッセイばかりだったが、今回初めて小説『限りなく透明に近いブルー』を読んだ。
名前も昔から知っていたし、かなり若い時に芥川賞を受賞した作品ということで前から読んでみたいと思っていた。

面白くて一気に読んだが、めちゃくちゃおもしろかった。
描写の細かさや生々しさが凄い。

ストーリー展開も結末も登場人物もぜんぶ俺好みで、とても楽しめた。

薬物依存症を扱った映画『レクイエム・フォー・ドリーム』にとても似ていた。

個人的な評価は★★★★★

淡々とした文体

正直この作品への分析などはやりつくされてるだろうし、単行本の最後に書かれていた解説にも全て書かれていたので、俺みたいなものが書けることはほとんどない。
起こっていることは激しいのに文体は淡々としているのが逆に生々しいという。

これもよく言われてることだが、この小説の主人公は村上龍本人なんだろうか。
ヘロインなどの描写があまりにもリアルすぎる。

やはり薬によるトリップ感覚は酒(アルコール)とはだいぶ違うんだなと思った。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』を見たときも思ったが、俺は生涯酒しかやるつもりはない。

注射針を刺すのがそもそも怖いが、この小説の最後の主人公のような禁断症状も怖い。
自分や他人が無機物のように感じられて仕方がない状態とかは、10代の頃体外離脱や明晰夢に挑戦していたころに少しあった。
ひどいときは、風邪で高熱を出した日の夢のような耐え難い怖さ。

この小説にしてもレクイエム・フォー・ドリームにしても、登場人物たちはまだ若いのに、ここまで体を薬物漬けにできるノーフューチャー精神にびびる。
俺はそういう作品は好きでも、健康志向なので、めちゃくちゃなんて絶対にできない。

この小説に出てきた女たちは黒人のチンポでめちゃくちゃにされてもまたパーティーに行こうとしている。
リスカもそうだが、痛みによって自分を確認するという欲求が俺にはわからないというか怖いので、別世界の住人という感じがする。

ヒッピー文化とかウッドストックとかについて調べてもそう思う。
俺はそういう世界は小説や映画だけで十分だ。

登場人物が手首を切ったシーンなんかは、ショッキングすぎて吐き気をもよおした。
俺は去年10月にメイドインアビスというアニメのグロシーンを見て翌日体調を崩したことがあるが、文章でもやはりきつい。

勢いで読んだ

最近、エッセイはともかく小説を読むスピードがどんどん下がっていて、読むのが苦痛になっていたので、思い切って勢いで読むようにしたが、この作品にはその読み方がぴったりだった気がする。
薬物や乱交などえげつない行為が次から次へと起こるのに、文体はあくまで淡々としていてテンポが良かった。

途中誰の発言なのかよくわからない部分なども多かったが、そこはあえてわからないまま読んだ。
俺は最近小説の情景描写を強迫的に頭でちゃんとイメージしないと気持ち悪くなっていたが、これでいいようだ。

ハルヒなど、とりあえず読み終えたい小説が5作ほどあるので、この読み方で行こうと思う。
あまり細部を追いすぎると疲れる。

面白かった一文

以下に、面白かった一文を紹介します。

お前もひどいスケベやなあ、オカマみたいな顔してそんなことしたのか、初耳やこれは。

味噌汁だけでも吸おうかとガス台にあった鍋を見ると、一面に灰色のカビが生え、豆腐がドロドロに腐っていた。

熱う、と叫んで口先を尖らせ、腹の中のいろいろな汚物を水鉄砲みたいにカウンターの上にボトボト吐き出してしまった。

ああくそ、酒だけを飲めっちゅうことや。

まとめ

この本と一緒に、中島らもさんの『バンド・オブ・ザ・ナイト』も買ったので、次はそれを読む。
そちらもドラッグや乱交の話のようだが、小説として読む分にはそういう世界は好きなので、楽しもうと思う。


限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

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