発声練習(声の準備)の方法 歌唱や声真似の前にベストコンディションにするには 喉と体を温める 伸展と開大を復活させる

ここでの、
『発声練習』
という言葉の定義は、
『歌を歌う前(ステージなどの本番前やレコーディング前)に、一時的に特定の行動をすることで(特定の声を出す等)、本番で出したい声を安定させる』
ということ。

『声の準備』
と言ってもいい。

※『発声訓練』の定義は『長期的』に声のバランスを変えること。

地声と裏声のバランスは刻一刻と変わっている

日々の『発声訓練』でいろんな声を出していくのは、地声と裏声の『静的なバランス』を変えていくため。
だが、静的なバランスが変わっていくのにはどうしても、何年という時間がかかる。

『静的なバランスの変化』の定義は『何も意識しなくても思わず出てしまう声』さえも変えてしまうということだ。
例えば男性が女声を出す場合、初期段階では、寝起きやくしゃみの際はどうしても男声が出ると思うが、静的なバランスが変われば、それらの際にも女声が出る、というようなこと。

そうやって日々の発声訓練で静的なバランスは少しずつ変わっていくが、『動的』なバランスはもっと頻繁に、刻一刻と変わっている。
その日によって、またはその時々によってコンディションが違う。

例を挙げると、
「喋りすぎて声が重い」
「喋りすぎて開大が死んだ」
「地声を出しすぎて声が重い」
「純粋な裏声を出しまくったあとは声が軽い」
など。

もっとわかりやすいのだと、
「寝起きで声が出づらい」
という状態。

そうやって、その時々で少しずつ違う地声と裏声の『動的』なバランスを、この記事で言う『発声練習』によって、一時的に、
『最も声が出しやすい状態』
に変えていく必要がある。

それによって、ベストコンディションで録音やライブに挑めるということ。

体を温めて声帯のむくみをとる

  • 温かい食事を摂る。
  • 風呂に入る。
  • 全身のストレッチをする。

歌唱や声真似云々の前に、まず、寝起きだとあらゆる声が出にくい。
喋り声さえも出にくい。

ほぼすべての人は、寝起きは体がむくんでいるが、体と同じように、声帯もむくんでいる。
声帯がむくんでいると、動きが悪くなったり、伸展や開大が十分に発動しづらい。
結果、あらゆる声が出しにくい。

どうやってむくみをとればいいかというと、声を出すより、まず声帯を始めとして全身を温めることが重要。

そのためにはまず食事を摂ることをおすすめする。
温かい食べ物なら、別に何でも良いと思う。
ざるそばなど、冷たい料理ではあまり身体も喉も温まらない。
個人的には、うどんや雑炊やお茶漬けをおすすめする。

あまりに大量に食べて満腹になりすぎると息がしづらくなるのでそこはほどほどに。

風呂に入るのも、身体と喉を温め、血流をよくしむくみをとるのにかなり有効。
時間がない場合はシャワーでもいい。
体と喉を温めるため、俺は風呂は一日の始まり、つまり朝に入ることが多い。

風呂上がりには、全身のストレッチをすることで、さらに体と喉が温まり、むくみもとれ、柔軟性を鍛えられる。
上半身を重点的にやり、特に首周り、肩周りを徹底的にやることをおすすめする。

以下の記事に、声を出さずに外喉頭筋群や首周りをストレッチする方法を書きました。

声と姿勢の関係性 首の角度と外喉頭筋群の発動度合い 上向き発声は高負荷トレーニングになる 無声練習の方法 等
声と、首の向きや首の角度(下向いたり上向いたり)には大いに関係がある。 結論から言うと、 『真上を向くと、外喉頭筋群が不自由になる傾...

身体のストレッチの詳しいメニューは調べてください。
自分が気持ち良いと思える動きなら、ある程度適当でもいいと思います。

以下では、実際に声を出して、声を整える方法を書いていく。

歌唱前の準備の方法 高い裏声を出して声帯をストレッチする

  • 呼気の、高い裏声でフォー!と叫ぶ
  • 吸気の、裏声の仮声帯をする
  • アンザッツ6開大
  • 吸気で限界まで上を向いて

実際に声を出して、声帯の筋肉のバランスを整える方法だが、どんなタイプの歌唱であれ基本的には、裏声系をやりまくるということに尽きる。
つまり、伸展を鍛える、声帯をストレッチさせるということ。

以下にメニューを書くが、すべて、基本的には呼気・吸気どちらもやることをおすすめする。

すべて、内筋は極力入らないようにすること。
そして、極力、開大させること、つまり喉頭位置を下げることを意識すること。
声帯が薄く引き伸ばされ、『ストレッチされる感覚』が重要。

最も良いのは、F4くらいの高さの裏声で、
「フォーーーーーー!!」
と叫ぶこと。

内筋は極力入らないほうが、多少なら入ってもいい。
上にも書いたが、開大させること、つまり喉頭位置を引き下げることを意識して出す。

アンザッツ6でやるのも、伸展と開大にかなりの効果がある。
姿勢を正し、限界まで下を向き、顎を引き、下の歯をむき出す感じにして出すと効果的。

他には、純粋な裏声。
純粋な裏声またはアンザッツ4a(息漏れの多いアンザッツ4)を、極力、内筋と外筋(つまり甲状披裂筋)を入れず、軽く、カスカスに出していく。
それを保ったまま、どんどん音程を上昇させていくのも有効。

裏声で、今出せる限界の最高音を出していくのも有効。
その際に、ホイッスルボイスになってしまうと地声系の筋肉である外筋が入ってしまうので、あくまで甲状披裂筋の入っていない、息漏れ気味で、軽く、カスカスの裏声で最高音を狙うこと。

ホイッスルボイスやは伸展、閉鎖、外筋の発動にかなり効くが、開大が死ぬ傾向がある。

開大を復活させる方法

上に何度か、『開大が死ぬ』と書いたが、それは声において本当によく起こる現象だ。

しゃべりすぎたり、歌いすぎたりすると、声が出にくくなってくる。
それは、抑揚をつけたりしたときに喉頭が引き上がり、閉鎖が強まることを繰り返し、結果、開大が死ぬからだ。

咳をすることでも、喉頭が引き上がり、声帯への呼気のアタックにもなり、それによって閉鎖が強くなり、開大が死ぬ。
後筋は前筋をサポートするので、必然的に伸展も死んでいる。
だから、あらゆる声の調子が悪くなる。

開大と伸展は、声を使っていくと必ず衰えていくものである。
声を使えば使うほど開大と伸展が強くなっていく、ということはない。
(厳密に言うと、地声を使い続けると、というの話。)

だから、開大と伸展は、意識して、鍛えていく必要がある。

開大が死ぬ、という状態を具体的に説明すると、喉頭位置が引き上げ、閉鎖筋や外筋が優位な状態で声を出し続けることで、その逆である、開大(つまり喉頭位置が低い裏声)が発動しづらくなるということ。

開大が死んでいるときは、純粋な裏声とアンザッツ6がとにかく出にくくなるので、それで判断しやすい。

寝たり休んだりすれば治るが、一気に復活させる方法もある。
あまりにひどく開大が死んでいると効果は薄いが、多少死んでいるくらいなら、ごく短時間で復活させることもできる。

その方法とは、
『口を手や服の袖で塞いで、少しだけ息が出るようにし、喉頭位置を目一杯下げ、アンザッツ6で低い音から高い音まで上昇し絶叫する』
だけ。

限界まで下を向いて、顎を引いて、舌根もできるだけ下げて出すのが効果的。
鼻から息は出てはいけない。
呼気と吸気で高速に交互でやるのも有効。

ストロー+水の入ったでやるのも同様の効果があるようだが、準備がめんどくさい場合は、やはり服の袖でやるのがおすすめ。

一気に数回または1分ほどやりまくればで、開大が復活してくるはず。

純粋な裏声が出しやすくなるまでやろう。
純粋な裏声は、アインザッツが早く、柔らかく、内筋が極限まで抜けてカスカスになる状態が理想。

声真似の準備 分離して要素を取り出してから融合させる

誰かの声の真似をする時、いきなりその『出音』だけを真似するより、まず『要素』を取り出して練習するほうが良い。

『要素を、分離して練習してから、融合させる』
ということ。

例えば女性の声は伸展が強いので、とにかく伸展を鍛えるための声を出す。

それら要素を別々に徹底的に練習して、一時的にバランスを変えてから、一気に融合させてみる(女性の声そのままを出そうとしてみる)。
すると、驚くほど楽に、高い精度で出せたりする。

甲高い裏声を単体で聴くとは女性の声には聞こえないが、女性の声の構成要素なので、いざ女性の声をそのまま真似する場合に、間違いなく精度が上がる。

声真似がうまくいかない時にやってみてください。

まとめ

声がどれだけ成長しても、
「今日は喉の調子が悪い、不調」
というときは必ずあるはずだ。

毎回、できる限り『その時のベストコンディション』で声をだすためにも、上述の『発声練習(声の準備)』は必要かと思う。

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