涼宮ハルヒの分裂 著者:谷川流 書評、レビュー(感想)

涼宮ハルヒシリーズ8冊目『涼宮ハルヒの憤慨』に続いて9冊目である『涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)』を読んだ。
ハルヒシリーズが好きすぎて、SOS団が活動してる話というだけで楽しめるので、今作も楽しめた。

個人的な評価は★★★★☆

後半から面白かった

今作は2年生になってからの話。
前半の部員集めのビラ配りの話などはあまり興味がなかったのでささっと読んだ。

後半、佐々木や九曜や橘京子が出てきてから辺りが面白かった。
驚愕自体は14歳の時点で買っていて、佐々木や橘京子などの見た目は知っていたのに、実際読んでどんなキャラなのか知るのは12年後の今になってしまった。

その辺りからAルートとBルートに分かれるのだが、これは世界線が分岐した(ハルヒが分裂した?)ということなんだろうか。
次巻(分裂)を読まないと分からないが、かなり俺の好きなテーマだ。
途中でわけがわからなくなりそうになるけど面白い。

佐々木かわいい

佐々木は最初はあまり可愛いと思わなかったのだが、イラストを見たりしてるうちにかなり好きになった。
ハルヒシリーズではほとんどのキャラが好きだが、佐々木は特に好きかもしれない。
橘京子や九曜にはあまり魅力を感じない。

佐々木さんは世界を作り替えたり、破壊しようなんて全然考えないのです。
佐々木さんの意識は表も裏も、揺れずに固定されているの。
理想的です。
現実が気に入らないからって、ひっくり返さない。
すべてはあるがままに。

この安定感。
ハルヒの真逆だが、少しつまらないような感じもする。

『キョンが神説』を推すとしたらやっぱり佐々木は選ばれないんだろうな。
キョン自身の潜在的な願望として、日常がつまらない、突飛なことが起きてほしい、というのがあって、その気持ちが涼宮ハルヒという人間を引き寄せ、力を与えたのだとしたら。

結局、涼宮ハルヒの憂鬱という物語は、キョンの独我論的世界の物語なんだと俺は思っている。

涼宮ハルヒは自己愛性人格障害

と言うかいつも思うが、ハルヒの、日常がつまらない、なにか面白いことをしたい、と言って行動を起こし現実を変えるのは、多くの人間、特に10代の人間に共通する願望な気がする。
俺も13歳のときにハルヒのアニメに出会って影響を受けた。
(俺にとっては小6での大暴れが、なんというかハルヒ的行動だったので、前から因子はあったということだが。)

ハルヒが、小さい頃野球場に行ってあまりの人の多さと自分のちっぽけさに愕然とした、という話も、独我論や引き寄せの法則や自己愛性人格障害につながってくる思考回路だ。

作者の谷川流氏もそういうことを思って学生時代を過ごしたんだろうかと考えてしまう。

喋っているのはハルヒのみで、SOS団結成以来の歴史を、まるで真田十勇士の戦いぶりを伝える講談師のように語っている。
かなりの誇張が含まれているため、話半分で聞いておくように。

自分に関することを異常なほど人に話したがる、しかも誇張する、というまさに自己愛性人格障害の特徴そのもの。

「団員希望の一年生が一念発起して来たって言うんだ。なのに、お前の態度は入団を促進させる効果を何一つ伴ってなかったぜ。連中、二度と来ないかもしれん」
「かもね」
ハルヒは軽快にブラインドタッチしつつ、
「そうなったらなったでいいわ。こんなことくらいでめげる団員をあたしは所望していないから。気合いのあるヤツだけ集まればいいの。捨て鉢な気合いを持ってるだけでもダメだけどね。あたしが作った入団試験、そのことごとくに合格するような一年以外は願い下げよ。ハードル競走の道は長くて、障害物は高いのよ。冷やかしで来るような凡人を求めるほどSOS団は人材に困ってなんかないんだからね」

他人が自分を受け入れられるかどうか徹底的に『ふるい』にかける。
まさに自己愛性人格障害。

同じ自己愛性人格障害として親近感を覚えすぎて怖い。

涼宮ハルヒというキャラクター自体は好きではないが、涼宮ハルヒの自己愛性人格障害的思考回路は俺そっくりなので、重要に思えてくる。

その他

言っとくけど、あたしは笑いには厳しいからね。
まずシモネタとモノマネは問答無用で却下。
とにかく何か極端なことして笑いを取ろうとするのは全部ダメ。
トークで勝負しなさい、フリートークで。
思うんだけどね、そもそも人が笑う仕組みというのは──

ガキの使いでのダウンタウンのトークとか好きそう。

「古泉」
「何でしょう」
「お前、長門が休んでいたことを知っていたのか」
「だとしたら、どうします」
「言わなかったことを責める。咎める。場合によってはつるし上げる」
「神に賭けて、知りませんでした」

なんかワロタ。

まとめ

次巻『驚愕』で、涼宮ハルヒシリーズは止まってしまうのかと思うと寂しすぎる。
谷川流氏がどうしても続きを書けないらしいが、なんでもいいから続きを読みたい。
アニメ三期もないだろうし、ハルヒというコンテンツが永久に止まったままなのは悲しい。

ところで、今度神戸に帰ったとき、ハルヒの舞台となった西宮をぶらつきに行こうかな。

とりあえず次巻を読みます。


涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

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