融合(混合)は勝手にしていくので分離を優先すべき

発声訓練においては、
分離(純化)・確立(強化)・融合
という工程が重要。

もう何度も書いているが、声だけでなく精神も自然界も宇宙も、
『放っておいても勝手に融合(混合)に向かう』

そして何事においても、融合(混合)よりも分離のほうが難しい。

だから、『分離を優先』するくらいでちょうどいい。

分離をしないと強化の効率が悪い

地声と裏声が不完全に混ざった状態では、どこから地声で、どこからが裏声なのか等わからなくなり、個々を強化(確立)するのが難しくなる。
または、強化の効率が悪くなる。

世の中の大半を占めている近代的発声訓練法では、分離の工程が無い、または、分離をあまりにも軽んじている。。
各声が弱い状態で融合(中声)を求め、実際に融合しても、大した中声にならない。
端の弱い中間は弱い。

バランスの法則

バランスの法則というのは、この世の中、自然界は、ほっておいてもバランスをとって中庸(中間)になろうとするという法則のこと。

マクロビオティックでは、人間の体質を、
『陰性(冷え性)』
『陽性(火照り)』
『中庸』
の3つに分けている。

食品もそれら3つで分けられ、肉類や卵は陽性(体を温める)、砂糖や牛乳は陰性(体を冷やす)、玄米や根菜は中庸とされている。

ほとんどの人が、焼き肉(極陽性食品)を食べた後にアイス(極陰性食品)を食べたくなるのは、体が自然と中庸に保とうとする作用のせい。

また、人間の体温が36.5度に保たれ、暑くなると汗をかいて体を冷やそうとし、寒くなると震えて体温を増やそうとするのも、恒常性維持機能という、バランスをとるための機能のせい。

世の中のほとんど人間が、声も精神も混合しているのは、当然と言える。
本人の自覚無自覚にかかわらず、無意識が自動的にバランスを取ろうとし、中庸に向かおうとするからだ。

声の場合は、しゃべったり歌ったりするだけでも勝手に混合していく。

声も精神も、融合(混合)は放っておいても勝手にするなら、人が優先すべき意識や行動は『分離』だ。

『中間』への『偏り』

何事も『中間』『中庸』というと安定しているように見えるが、それは『極端なことができない』という致命的な欠陥を抱えている。
人生でもなんでも、極端なことや、やったことがないことや、強烈な体験などをしなくなると、成長しなくなる。

『可動範囲』がどんどん狭まり、『固着』し、『自在性』がなくなっていく。
『自在性が低い』状態や『固着』した状態は、苦しみとほぼ同義だ。

声でいうと中声が実は一番危険。
地声には伸展が混合し、裏声には収縮が混合するようになる。

それはつまり地声も裏声もしょぼくなっていく、喪失していく、純粋性がなくなっていくと言える。

中間というと『どこにも偏っていない』ように感じるかもしれないが、実際は『中間に偏っている』。

地声が左端、裏声が右端、中声が中間だとすると、
『中声に偏ると、端が弱くなっていく』
と言える。

これをなんとかするには、徹底的に分離して純粋性を取り戻してから、一つ一つを確立(強化)していくしかない。
確立(強化)は、『(端の)拡大』と言えるかもしれない。

繰り返すが、端の弱い中間は弱い。
つまり、分離と確立が出来ていない状態(一つ一つが弱い状態)での融合(混合)はしょぼい。

偏ることも偏らないこともできるようになることが『自在性』だ。

だとすると、『自在性』という概念は『分離も融合も包摂する』と言える。

余談だが、声も精神も、女性の方が圧倒的に混合している人が多い気がする。
そして男性は、分離はできていても融合ができなさすぎる『乖離』が多い気がする。

分離(強調対比)のコツ

ちなみに分離のコツの一つは、声においても精神においても、思いっきりやる(本気でやる)ということ。

を強調対比が苦手な人間でも、思いっきり声を張ればひっくり返る。
この思いっきりひっくり返る感覚が分離の感覚。

『適当(半端)』にやるより、『本気』でやるほうが、どちらかというと難しい、とも言える。
ただ、適当(半端)も自在性の中の一つなので、いずれはできないとまずい。

まとめ

融合は分離に比べると容易く、分離は強化という工程に必須だということを踏まえると、とにかく分離が重要。

バランスの法則がある限り、声も精神も、放っておくと勝手に混合していく。
繰り返すが、混合し、固着していくと、衰えていく。

だから、いつも分離を忘れず、絶えず強化(確率)していく必要がある。

関連記事

声と人格の関係性 地声と裏声のバランスと仮声帯ノイズ 幼少期の影響 ものまねや変顔ができる可動範囲 等
俺は、声はその人の『人格』そのものだと思っている。 男性と女性 自己主張と自己犠牲 仮声帯ノイズと魅力的な人格 地声(内筋)が強い人...
声の機能と仏教の類似点 裏声は空観 地声は仮観 中声は中観と縁起 我は弱めず同じくらい梵を強めてバランスをとる
中声は中観 中声は縁起 中声とは、地声と裏声の中間の声のこと。 空観、仮観、中観は仏教用語。 仏教の考え方は重要で、それを声の...


はじめに以下の記事を読んでいただくことをおすすめします。

地声と裏声とアンザッツの概要や発動する筋肉名
地声系アンザッツ 地声とは ・定義は内筋 ・重い ・分厚い ・低音発声に重要 ・男性的 ・閉鎖筋(間筋、側筋)の発動によっ...
内喉頭筋群と外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)の筋肉名と略称 働きや役割について
このブログでよく登場する喉の筋肉名を、内喉頭筋群と外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)に分けて、その名称と働きについて記しました。 内喉頭筋群は...
発声訓練時に用いる言葉(用語)や表現について 感覚の共有 定義やイメージの食い違い 等に注意
このブログで用いている言葉一覧 発声訓練 ※ボイストレーニングと同じ意味。 歌唱訓練 ※ボーカルトレーニングと同じ意味。 ...
発声訓練を実践する際の基本的な考え方
この記事では、俺自身が独学で発声訓練を実践するにあたって基本スタイルや、考え方などの注意事項を記します。 声の可能性 ・すべ...
髭林おなもみの音域(単純発声/歌唱)と目標とする歌声 中性的~女性的な美声が好きな理由
音域 歌唱開始日:2007年 発声訓練開始日(独学):2018年1月 単純発声 地声最低音 F2(2019年6月) ...

このブログの記事は、一学習者・一素人の気付きとして書かれたものです。
特に発声訓練に関する記事の内容は、安易に実践すると危険な場合がありますので、自己責任でお願いします。

筆者である髭林おなもみや、記事内容について気になることがあったらお気軽にご連絡ください。
髭林おなもみのプロフィールと活動一覧 職業や経歴など
髭林おなもみへのお問い合わせ

彼女募集中!
髭林おなもみは現在彼女募集中です。

俺のプロフィールは、
『髭林おなもみのプロフィールと活動一覧 職業や経歴など』
を参照してくだ…

シェアする

error: