発声訓練時に用いる言葉(用語)や表現について 感覚の共有 定義やイメージの食い違い 等に注意

このブログで用いている言葉一覧

発声訓練 ※ボイストレーニングと同じ意味。
歌唱訓練 ※ボーカルトレーニングと同じ意味。

発声練習 ※歌う直前の一時的な声の準備やバランス調整のこと。

地声
裏声

中声 ※地声と裏声の中間の声(声区的には地声に属する)。ミックスボイスや(音色としての)アンザッツ3bとほぼ同じ意味。

女声 ※男性(身体性別)が出す女性的な声という意味。

美声 ※個人的に、伸展が利いた声つまり女性的~中性的な声を『美声』としている。

良い声 ※個人的に、収縮が利いた声つまり男性的な声・ダンディな声を『良い声』としている。

伸展
開大
閉鎖
収縮

前筋
後筋
閉鎖筋
内筋
外筋
仮声帯

仮声帯発声
仮声帯ノイズ

発動
バランス

アンザッツ1~6

エッジボイス
ホイッスルボイス

喉頭位置(が高い・低い・中間)
(喉頭位置の)引き上げ・引き下げ

呼気
吸気

呼気圧迫

開鼻
閉鼻
ハミング
鼻にかける

喚声点
裏返る
表返る
ひっくり返る
(内筋が)抜ける、すっぽ抜ける、(内筋を)抜く
ブレイク(する・がある)
調節

強調対比

(声を)張る

張り上げ、叫び、絶叫 ※地声、裏声問わずかなり声を張っている状態のこと。ノイズが混じっているものも指す。

ベルティング ※声を『張る』のと『ベルティング』は明確に別のものとしている。前者は単純に声の音量や呼気を大きくすることで、後者は簡単に言うと、できる限り強く内筋を入れて声を張ること。基本的にノイズはほぼ混じっていない。

ビブラート

分離
強化
融合
混合
拮抗

解消
促進
鍛える

音程
音高

倍音(倍音構成)
低次倍音
高次倍音
整数次倍音
非整数次倍音

ツヤツヤやサラサラなどのオノマトペ

静的
動的

顕在化する ※対義語である『潜在化する』は、ほぼ使わない。

(地声や裏声や各筋肉の発動が、静的や動的に)強い・弱い ※他者と比べて、または自分の別の筋肉の発動と比べて。

努力性
操作性
自在性

脱力

ミクロ的
マクロ的

デスボイス
フライスクリーム
フォールスコード
シュトローバス
チェストベース

なぜ用語や表現方法や定義を厳密にする必要があるのか

Youtubeで近代的発声訓練法の指導者を見ていると、声に関する、独自のわけのわからない用語を作り出して使っているのをよく見かける。
発声訓練の歴史というのは、そういったわけのわからない独自の用語の氾濫によってめちゃくちゃに混乱してきたものだと思う。

発声訓練で用いる言葉(用語)や表現は、
『普遍的』
『簡潔』
『多くの人がイメージしやすい(音のイメージが共通)』
表現というのが理想だと思っている。

某自己啓発の一件で学んだが、発声訓練でもなんでも、横文字は極力使わないほうが良い。
極力日本語で、普遍的・一般的な表現が良い。

ブログで使ってきた横文字を日本語に置換する作業で『本当に意味のある横文字』はほぼ無いということがわかった。
横文字を見たらまず警戒したほうが良い。

声で言うと、ミックスボイス、ミドルボイス、チェストボイス、ヘッドボイス等が、意味がない上に混乱を招くだけの横文字の典型。
エッジボイス、ホイッスルボイス、アンザッツ、各デスボイスの名称は他に言い方が無いので、意味がある。

横文字を使う目的の殆どは、
『言い易い』
『なんかかっこいい』
『共同体に帰属できる』
『ブランディングできる』
とかじゃないかと思う。

このブログでも、『発声訓練』じゃなく『ボイストレーニング』という言葉を使えば検索流入を狙えるが、後者には浮ついた含蓄があるので使わない。

造語も作らないほうが良い。
とにかくできる限り一般的な言葉が良い。

真に『正しい情報』というのはどこまでも普遍的なはず。
ブランディングする必要も差別化する必要もない。
その必要があるとしたら、その情報をお金にしようとする時のみ。

あと、一部の記事または一部の文脈でしか出てこないような『一度限りの表現』も、使わないほうが良いと思っている。

言葉の定義やイメージの違いによる混乱

人と、声や声に関する筋肉や意識・感覚の話をする際の、言葉の定義の違いによる勘違いが発生するのは危険だ。
言葉の定義が相違してるのに、ずっと共通してるかのような状態が特にやばい。

俺が今、声の話をしている人たちの中で共通しているのは
「呼吸法、共鳴などはミクロ視点の話なので取り急ぎは必要ない。混乱を生むし無駄だから語らない。」
「地声と裏声のバランスというマクロ視点の話が重要。」
という認識くらい。

だが、その枠組みの中でさえ、言葉の定義、言葉によって喚起される声のイメージの相違がある。

人それぞれ、言葉が持つイメージや実際に出る声のイメージが違う場合があり、その微妙な違いが積み重なるとわけがわからなくなる。

だから、声について、言葉を使って人とやり取りする際は、とにかく言葉の定義を厳密に厳密にしていく必要がある。
勘違いを生むような表現は避けるべき。

確定しているのは、誤解・食い違いを生みやすすぎるという意味で、これまでもこれからも、
ミックスボイス、ミドルボイス、チェストボイス、ヘッドボイス、
等の言葉は使わない。
人によって定義があまりにも曖昧で、いちいち定義し直すのも面倒。

それらはSLSなどの近代的発声訓練法の用語だが、その他の発声訓練の独自の用語なども使わないに越したことはない。

やはり最も誤解を生みづらい表現は、
『(筋肉名)の発動』
だ。

ミックスボイスではなく中声

地声と裏声の中間の声(しかしどちらかというと地声に聴こ、声区的にも地声)の呼び方について。

世間ではミックスボイスやアンザッツ3bなどいくつかポピュラーな呼び方があるが、このブログではそのどれでもなく、
『中声(なかごえ)』
という呼び方をしている。

短いし、日本語だし、(地声と裏声の)中間の声という意味で、伝わりやすいのではないか。

中声は短いし言いやすいが、使っている人は少ない。
もともとは、オペラの『胸声・中声・頭声』という使い方のようだ。

それは混乱を生むので『地声・中声・裏声』で確定とします。

『表・中・裏』
という表現は楽だが、統一性を保つため、略さず、
『地声・中声・裏声』
という表現にする。

『表返る』はそのまま使う。

喉頭位置の呼び方

近代発声訓練法の人たちがよく使う、『ハイラリ』や『ロウラリ』という言葉は、色々と問題がある。

SLSは『ミディアムラリンクス(?)』をよしとする(らしい)時点で、ハイラリ、ロウラリはネガティブな印象がついているのではないか。
喉頭位置が高いという言い方ならまだいいが、ハイラリと言うと間違いなくネガティブな印象を受ける。

喉を吊る筋肉(喉頭懸垂機構、外喉頭筋群)は、どこかの方向にネガティブな意味があったりはしない。
内喉頭筋群は、前筋、後筋、内筋、閉鎖筋、外筋など略称で呼べば問題ない。

外喉頭筋群の話のときは、
喉頭位置が高い
喉頭位置が低い
引き上げ(る)
引き下げ(る)
以上の4つの言い方を使っている。

場合によっては、外喉頭筋群の具体的な筋肉名を挙げることもある。

ハイラリ・ロウラリという言葉は、ミックスボイス、ミドルボイス、チェストボイス、ヘッドボイス等と同じく、一切使わない。

まとめ

「具体的な筋肉名、練習や歌の上達に使えるのか」
という意見飛び出す気がするが、論点が違う。

以上の内容は、
「他人と声の話をするとき(またはブログ記事などで不特定多数に伝えるとき)に、言葉の定義や喚起されるイメージの違いを限りなく減らしてスムーズにやりとりする」
ための話。

しかし、そもそも声という『音』を『言葉』で説明すること自体に無理があるので、音源を聴いてもらうのが一番確実。
『音色』と『言葉』ができる限り正しく結びつくのが理想かと。

ただ改めて思ったが、俺のブログの発声訓練記事は、事前に外喉頭筋群と内喉頭筋群の知識が無いとほとんど理解できない。

外喉頭筋群と内喉頭筋群によるアプローチは、腹式呼吸、共鳴、声を当てる・飛ばすなどのアプローチより遥かに汎用性・確実性が高いとが、覚えることが多い。
つまり、キャッチーさがない。

故に、去っていく人も多いかもしれないが、俺には関係ないので、どこまでもチラ裏としてブログをやっていく。

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このブログの記事は、一学習者・一素人の気付きとして書かれたものです。
特に発声訓練に関する記事の内容は、安易に実践すると危険な場合がありますので、自己責任でお願いします。

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