発声訓練時に用いる言葉(用語)や表現について 定義 感覚の共有 イメージの食い違い 等に注意

このブログで用いている言葉一覧

発声訓練 ※1

発声練習 ※2

地声
裏声
中声 ※3

女声 ※4

美声 ※5
良い声 ※6

伸展
開大
閉鎖
収縮
調節

前筋
後筋
閉鎖筋
内筋
外筋
仮声帯

仮声帯発声
仮声帯ノイズ

喉頭位置(が高い・低い・中間)
(喉頭位置の)引き上げ・引き下げ

呼気
吸気

呼気圧迫

喚声点
裏返る
表返る
ひっくり返る
(内筋を・が)抜く、抜ける、すっぽ抜ける
ブレイク(する、がある)
強調対比

分離
強化
鍛える
融合
混合

解消
促進

ベルティング ※7
(声を)張る

音程
音階
音高

倍音(倍音構成)
低次倍音
高次倍音
整数次倍音
非整数次倍音

静的
動的
顕在化する ※8

(地声や裏声や各筋肉の発動が、静的や動的に)強い・弱い

努力性

アンザッツ1~6

エッジボイス
ホイッスルボイス

デスボイス
フライスクリーム
フォールスコード
シュトローバス
チェストベース

※1 ボイストレーニングと同じ意味。
※2 歌う直前の一時的な声の準備やバランス調整のこと。
※3 ミックスボイス、(音色としての)アンザッツ3bとほぼ同じ意味。地声と裏声の中間の声(声区的には地声に属する)。
※4 男性(身体性別)が出す女性的な声という意味。
※5 伸展と閉鎖が利いた声を『美声』としている(個人的な定義)。
※6 収縮が利いた声を『良い声』としている(個人的な定義)。
※8 声を『張る』のと『ベルティング』は明確に別のものとしています。前者は単純に声の音量や呼気を大きくすることで、後者はざっくり言うと強く内筋を入れて張ることです。『張り上げ』という言葉は混乱を生むので使いません。
※7 対義語である『潜在化する』は、ほぼ使わない。

なぜ用語や表現方法や定義を厳密にする必要があるのか

Youtubeで近代的発声訓練法の指導者を見ていると、声に関する、独自のわけのわからない用語を作り出して使っているのをよく見かける。
たぶん発声訓練の歴史というのは、そういったわけのわからない独自の用語の氾濫によってめちゃくちゃに混乱してきたものだと思う。

『普遍的』『多くの人がイメージしやすい』『簡潔な』表現というのが理想だと思っている。
一度限りの表現は使わない。

ミックスボイスではなく中声

ミックスボイスでもアンザッツ3bでもなく『中声(なかごえ)』。
短いし、日本語だし、(地声と裏声の)中間の声という意味で、最も伝わりやすいのではないか。

『表・中・裏』っていう表現は楽だが、統一性を保つため、略さず、『地声・中声・裏声』という表現にする。
『表返る』はそのまま使う。

中声は短いし言いやすいが、使っている人は少ない。
もともとは、オペラの『胸声・中声・頭声』という使い方のようだ。

それは混乱を生むので『地声・中声・裏声』で確定とします。

ハイラリとロウラリ

近代発声訓練法の人たちがよく使う、『ハイラリ』や『ロウラリ』という言葉は、色々と問題があると思う。
チェスト、ミドル、ヘッド、ミックスボイスと同様に。

ハイラリ、ロウラリという言葉には、ネガティブなニュアンスを感じる。
喉を吊る筋肉(喉頭懸垂機構、外喉頭筋群)は、どこかの方向にネガティブな意味があったりはしない。

SLSはミディアムラリンクス?をよしとする(らしい)時点で、ハイラリ、ロウラリはネガティブな意味合いを含みすぎてる。
喉頭位置が高いという言い方ならまだいいが、ハイラリと言うと間違いなく喉絞め的なネガティブな印象を受ける。
ロウラリは団子声(クネーデル)を彷彿とさせる。

じゃあ喉絞めや団子声とはなんなのか。

喉絞めとは、まず伸展が十分に発動していない状態だから閉鎖がしきれず、意図せず内筋を巻き込みながら喉頭位置が上がっている状態。

団子声とは、同じく、伸展が十分に発動していない状態だから閉鎖しきれず、内筋を巻き込み、前者とは違い、喉頭位置が下がっている状態。
どちらも多くの場合、呼気圧迫になっているはず。

決定的な違いは、喉絞めは喉頭位置が高く、団子声(クネーデル)は喉頭位置が低い。
あとどちらも、首の筋肉(胸鎖乳突筋)など、声に関係のない余計な部分に力が入っている印象。

喉頭位置の高い・低いとは?

言い換えれば、
喉頭位置が高い=ハイラリ
喉頭位置が低い=ロウラリ
だと思うが、
喉頭位置が高い=喉絞め
喉頭位置が低い=団子声(クネーデル)
ではない。

俺の出すアンザッツ5+仮声帯ノイズが、
「喉頭位置の高いアンザッツ4+仮声帯ノイズに聴こえる」
という指摘をされたことあるが、厳密に言うなら、
「喉頭位置が上がりきっていない」
という状態だと思う。

ハイラリ・ロウラリという言葉も、ミドル、ヘッド、ミックスと同じく、使わないに越したことはないと思う。

喉頭位置が高い
喉頭位置が低い
(喉頭位置を)引き上げる・引き下げる

このブログでは、以上の4つの言い方を使っています。

イメージの食い違い

言葉の定義の違いによる勘違い

俺も最近、人と、声や声に関する筋肉や意識・感覚の話をする際の、言葉の定義の違いによる勘違いが発生しすぎて怖くなってきた。
言葉の定義が相違してるのに、ずっと共通してるかのような状態さえあってやばすぎる。

俺が今、声の話をしている人たちの中で共通しているのは
「呼吸法、共鳴、声を当てる方向、などはどうでもいい。混乱を生むし無駄だから語らない。」
という認識くらいだ。

だが、その枠組みの中でさえ、言葉の定義、言葉によって喚起される声のイメージの相違がある。

人それぞれ、言葉が持つイメージや実際に出る声のイメージが微妙に違う場合があり、その微妙な違いが積み重なるとわけがわからなくなる。

だから、声について、言葉を使って人とやり取りする際は、とにかく言葉の定義を厳密に厳密にしていく必要がある。
勘違いを生むような表現は避けるべき。

意味不明な言葉やハイコンテクストな使わない

確信しているのは、誤解・食い違いを生みやすすぎるという意味で、これまでもこれからも、
チェストボイス、ミドルボイス、ヘッドボイス、ミックスボイス
という言葉は一切使わないこと。
人によって定義があまりにも曖昧で、いちいち定義し直すのも面倒だ。

それらはSLSなどの近代的発声訓練法の用語だが、その他の発声訓練の独自の用語なども使わないに越したことはない。

やはり最も誤解を生みづらい表現は、
『(筋肉名)の発動』
だと思う。

内喉頭筋群の筋肉名の場合もあるし、外喉頭筋群の筋肉名の場合もある。

よくわからない言葉

静的、潜在的という言葉もよくわからない。

「すべての人間はあらゆる声を”潜在的”に持っているが、時間をかけないと曲がりなりにも発動できない。」
そういう意味では、潜在的は潜在的でも、潜在度が深すぎるものがある。

その事と、
「今少し発動している」
または、
「すぐに発動させられるけど発動させてないだけ」
ということも同じ”潜在的”という言葉を使うからわけがわからなくなる。

深さが色々ある。

あとは、内喉頭筋群にしても外喉頭筋にしても、
『強い(強く発動している)』
とか
『弱い(弱く発動している)』
とよく言う。

それは、その人個人の別の筋肉名と比較してなのか、別の誰かと比較してなのか、多くの人と比較してなのかで意味が変わってくる。

よく意味がわからない時はちゃんと確認するか、そもそもそういった言葉を使うのをやめること。

外喉頭筋群(引き上げ/引き下げ/後への引き)の感覚や表現

内喉頭筋群は、前筋、後筋、内筋、閉鎖筋、外筋など略称で呼べば問題ない。

しかし、外喉頭筋群の話のときは、引き上げとか引き下げとか、人によっては上げとか下げとか引きとかを使うこともある。
それらはまるで声を当てる方向、または喉絞めや団子声とイコールかのような印象になってしまい、誤解を生みやすい気がしてきた。

引き上げ・引き下げという言葉

例えば、『引き上げ』という言葉の認識さえも人と食い違っている事があると今日気づいた。

『引き上げ』は『上に引く』から、『喉頭位置の高い状態を指す』という認識が一般的(多数派)だと思う。
だが、『引き上げ』は『引き(後ろ)』と『上げ』だから『喉頭位置の高い裏声だ』いう認識の人もいる。

結論としては、
喉頭位置が高い
喉頭位置が低い
と言うのが最も誤解は避けやすいはず。

あとは、
『内喉頭筋群の具体的な筋肉名(伸展や閉鎖)が発動している』
と言う。

とりあえず、引き上げや引き下げという言葉は使わない。

『引く』という言葉は、『後ろ』という意味で捉えられる危険性がある。
なおかつ『声帯を実際にいずれかの方向に引っ張る身体意識』という意味で捉えられる危険性もある。
なので今後『引く』という言葉は一切使わない。

画像は外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)の四方向の参考までに。

内喉頭筋群のように、筋肉名で呼べばいいんじゃね?という意見もあるが
外喉頭筋の名前は内喉頭筋の名前のように短く略すことが難しいという問題がある。

甲状舌骨筋、茎突咽頭筋と口蓋喉頭筋だが、長いし略しようがない。

ただ、その
前上
後上
上(上両方)
という言葉は言いやすくていいが、『声を当てる方向、声を飛ばす方向』と勘違いする人もでてくるかも知れない。
なのでやっぱり一番厳密なのは筋肉名なので、要所要所では筋肉名も使っていく必要があると思う。

前後のほうが重要

最近のやりとりでは『前上』と言ったり『上前』と言ったり、前後がごちゃごちゃになってた。

声において下(の筋肉の発動)が原因で上(の筋肉の発動)が結果、とは必ずしもならないが、後ろ(の筋肉の発動)が原因で前(の筋肉の発動)が結果、には必ずなる。
上下よりも前後のほうが枠組みが広い。
なので、上下よりも前後が前にきたほうがいい気がする。

引き上げや引き下げという言い方は上下ばかりことさらに言っていて、ハイラリやローラリのような平面的な印象を与えかねない。
俺も昔は、女性的な声の人に対して、
「引き上げが強い」
とか言ってたが、女性的な声っていうのは厳密に言うと後ろが強いので、やっぱり前後のが重要。

これからは、後下、後上、前下、前上と言う風に呼んでいく。

後ろへ引く感覚とは?

ところで俺がこれまで、某発声訓練を実践しているのにもかかわらず、引き上げと引き下げという上下二方向を指すような言葉しか使ってこなかったのはなぜか。

それは、
「後ろに引く感覚というのがわからない」
から。

これをわかっている人はそこそこいるらしい。
実際に喉が後ろにひかれているような感覚らしい。

特に後下(輪状咽頭筋)は最大限の伸展なので、声をだすのに最も重要だ。
だが、後下を発動させる感覚がわからない。

後下への引きの感覚がわからないのは、混合が強いから、後下が弱いから、前が強すぎるから、などあるらしい。
改善していって、できれば後ろへの引きの感覚がわかるようになりたいもんだ。

四方向の筋肉の発動と発声配置、サウンドビーム

余談だが、外喉頭筋群(喉頭懸垂機構)の四方向はあくまで、筋肉の発動する方向である。

前下、と言った場合は、
『前下の筋肉が発動した感覚』
『前下の筋肉が発動した際に出る出音のイメージ』
という意味である。

間違っても、
『(口から見て)前下に声を当てる・飛ばす」
ということではない。

だが実際に、前下を強く発動させると出るアンザッツ3aという声は、口から見て前下の方向にある、胸にや鎖骨に響いている感覚がある。
それを共鳴や発声配置というが、あくまで個人差の大きいものであり、幻想とされている。
自分で感覚を掴むためのアプローチの一つとして使うならいいが、使いすぎたり、他人にまで強要すると危険なので注意。

アンザッツもそもそもは声をどこに響かせるといった発声配置の話だったらしいし、チェザリーのサウンドビームという概念もほぼそのこと。
それらは幻想なので、あくまで『(各筋肉が発動した時の)出音』を頭に思い描き、忠実に発声していくことを忘れずに。

この話をすると、
「そんな具体的な筋肉名練習や歌の上達に使えるのか、無駄だろ」
という意見飛び出す気がするが、論点が違う。

この話は、
「他人と声の話をするときに、言葉が指すものの違いを限りなく減らしてスムーズにやりとりする」
ための話。
ブログの記事で人に伝えるのも含む。

ボイストレーニングという言葉を使えば検索流入を狙えるが、

改めて思ったが俺のブログのボイトレ記事は事前に外喉頭筋郡と内喉頭筋郡の知識が無いとほとんど理解できない。
外喉頭筋郡と内喉頭筋郡によるアプローチは腹式呼吸、共鳴、声を当てる・飛ばすなどのアプローチより遥かに汎用性・確実性が高いと思ってるが、覚えるまでが一苦労。
キャッチーさがない。

俺自身の発声能力がしょぼいためデモンストレーションにも説得力がなく、見た人が
「外喉頭筋郡・内喉頭筋郡によるアプローチもだめなんだ」
となって去っていくかもしれないが、俺には関係ないので、どこまでもチラ裏としてブログをやっていく。

まとめ

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